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一景一話

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【一景一話】 ~心に残る景色との出合いと食の愉しみ~

シュペートレーゼ誕生秘話

昨日の続き。

1775年、この地に起こったある事件がワインの品質を決定的に向上させる発見へと導いた。

ブドウの摘み取り開始を伝える司教からの伝令の到着が事故で遅れたため、その時すでに熟し過ぎたブドウはしなびて腐敗し始めており、これは修道士達には絶望的なことであった。

しかし彼らの忍耐は報われた。ブドウにカビが生え、仕方なしに仕込んだワインがかえって素晴らしいものになった。

このように最初に収穫したシュペートレーゼ(遅摘み)は、貴腐菌の恩恵に預かることとなり、さらにラインガウのリースリングの世界的名声を打ち立てた。

1776年4月10日、当時の管理人ジョー・ミカエル・エンゲルトは、「このようなワインをかつて口にしたことはない。」と記録している。現在、シュロスの中庭には馬に乗った伝令の像が建っている。

本日の一景はその伝令の像。

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その後、この城はオーストリア皇帝の所領となってナポレオンに占領され、終戦処理のため召集されたウィーン会議で活躍したメッテルニッヒ侯爵に褒賞として与えられた。

シュロス・ヨハニスベルクのぶどう畑は 86エーカーに及び、リースリングのみを栽培している。最長250mの広いセラーは、75万リットルの許容量を備え、専門家の管理の下、過去何世紀もの間と同様に、ワインを瓶詰めするのに適した時期まで、木桶で熟成される。

何世紀にもわたりこの修道院とシュロス・ヨハニスベルクのワインは、ドイツで生産された最高のワインの造り手として彼等の評判を維持した。

その優雅さ、果実味、そして風味は、美食家と消費者を一様に喜ばせると同時に、より古いヴィンテージのワインは、その薬効のある品質のために評価されている。
by doitsuwine | 2013-04-20 21:09 | ドイツ | Comments(2)
Commented by N-styel at 2013-04-22 07:55
まさに神の一滴、こういう奇跡にもっともっと感謝しなくてはイケマセンねぇ~♡
ドイツだけでなくソーテルヌも素晴らしいですよん!! (*^^)v

Commented by 管理人 at 2013-04-22 20:21 x
N-styel さん

「神の一滴」、正にそのとおりです。
ワインとキリスト教の繋がりは深いですね。
日本の神も酒なくしては存在しえない・・・。
そして私もワイン・日本酒なくして存在しえない・・・。
デザートワインではソーテルヌもトカイもすばらしいですね。
でも、やはり私の中ではドイツのリースリングが一番です。
それこそ神からの贈り物だと思うんです。
甘口であれだけ酸味と爽やかさを持つのはリースリングだけです。
ここで紹介しているワインのほとんどは伊勢丹の地下で購入できます。あそこは本当においしいドイツワインしか置いてありません。
さすが伊勢丹です。