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一景一話

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【一景一話】 ~心に残る景色との出合いと食の愉しみ~

南禅寺方丈の欄間彫刻 竹に虎

昨日に続き、本日の一景も京都の南禅寺から。

この南禅寺には「虎」がたくさんいる。

大方丈の小堀遠州作庭園には「虎の子渡し」が見られる。

そしてこれも有名な襖絵の「水呑みの虎」

しかし、私の興味はそのいずれでもない。

興味があるのは方丈の玄関前にある広縁の欄間彫刻。

これが両面透かし彫りとなっており、実に見事である。

それもそのはず、江戸時代初期の伝説的彫刻家、左甚五郎の作なのだ。

その図柄は「牡丹に唐獅子、竹に虎」。

そこに彫り込まれているメッセージは、

あなたのよりどころは、何ですか。 あなたが安心して身を寄せられる安住の地は、どこにありますか。

透彫の小さな隙間から、発せられる問い。

獅子は、百獣に君臨する王といわれている。

その無敵の獅子でさえ、ただ一つだけ恐れるものがある。

それは、獅子の身中の虫。

我身の体毛の中に発生し、増殖し、やがて皮を破り肉に食らいつく恐ろしき害虫。

しかし、この害虫は、牡丹の花から落ちる夜露に当たると死んでしまう。

そこで獅子は夜に、牡丹の花の下で休む。

獅子にとっての安住の地が、そこにある。

一方、虎は猛獣であるが、群をなした象には勝てない。

そこで虎が逃げこむ場所が竹薮の中。

象の巨体は竹薮に入られず、また、竹薮に入ると、象牙にヒビが入る。

虎には竹薮が何よりの安全地帯であり、よりどころである。

牡丹に唐獅子、竹に虎。

三百数十年の時を経て、「あなたにとって、よりどころとなる安住の地はどこですか」と問いかける。

私はその竹に噛みついた虎の彫刻が好き。

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※メッセージは臨済宗黄檗禅公式サイトより要約
by doitsuwine | 2013-05-17 17:39 | 京都 | Comments(2)
Commented by kirafune at 2013-05-18 21:51
大好きな南禅寺からみで、
奥の深いお話をありがとうございました。
あなたのよりどころはどこにある?
と聞かれ、ふと胸に手をあて考えました。
私にもよりどころがあって、よかったです^^
Commented by 管理人 at 2013-05-19 12:22 x
kirafuneさん♬

一景一話といいながら、いつも軽い調子で中身のない話が多い_(_^_)_
たまには自分自身への問いかけも必要かも知れませんね。
京都はその自分自身への問いかけを提供してくれる私にとっては重要な場所。
私にはある意味で京都が一つの拠り所かもしれません。
南禅寺は中も外も見る場所満載の寺ですね。
私もよく行きます。