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一景一話

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【一景一話】 ~心に残る景色との出合いと食の愉しみ~

力足らざる者は中道にして癈す

本日は 『論語』 雍也第六の十二の釈義。

冉求曰、非不説子之道、力不足也、子曰、力不足者、中道而癈、今女畫。

冉求曰わく、子の道を説ばざるに非ず。力足らざればなり。子曰わく、力足らざる者は中道にして癈す。今女は画れり。

冉求が言った。
「先生の教えを認めない訳ではありませんが、我ら凡人には難しすぎます。」
孔子は答えた。
「もしお前の能力が足りないというのであれば、お前はその道の半ばで力尽きるはずだ。しかしお前はまだ始めてすらいない。」

本日はこの「力」について考えてみたい。
自然界に存在する力は科学的には4つの力に集約されるという。
その4つの力とは「重力」「電磁力」「弱い力」「強い力」である。
これしかない。
他の力はすべてこの4つが関係している(風力など)。

しかし、人間はすごい。
人間の力は無限である。
生命力、持久力、体力、筋力、腕力、握力、脚力、視力、聴力など身体的なものから、
想像力、忍耐力、洞察力、思考力、判断力、表現力など主体的かつ精神的に作用する力までさまざまな力がある。

これらの力で人間は生きている。
すべての力は 「努力」 によって鍛えることができ、使うことができる。
孔子が言いたいのはここである。
毎日毎日、そして一生、これらの力を人間はどれだけ育て、消費できるのだろうか。
たくさん消費している人は良くも悪くも行動が活発で、それ故に成功も失敗も多く経験する。
それが人間を創りだしている源ではないのだろうか。

冉求は性格が消極的なため、孔子から見れば、未だに成功も失敗もしていなかったのだろう。
力尽きたときが人生の終わりなのである。

小生の居合の演武
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武術の演武には実にさまざまな力が要求される。




(完)
by doitsuwine | 2016-05-16 17:16 | 生活 | Comments(0)

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