計愈々違ひて志愈々堅し
密航に何度も失敗した松陰先生が自らを発憤させた言葉である。
計画が失敗するほど志は堅くなる。天がわれらを試しているのだ。何を憂えることがあろうか。
というのである。
すごい。
このプラス思考。
絶対に凹まないこの気概。
恐ろしいほどの実行力である。
私にとっての松陰先生の魅力はこの「志」に尽きるのである。
『論語』 巻第五 子罕第九の二五にこんな言葉がある。
子曰、三軍可奪也、匹夫不可奪志也。
子の曰わく、三軍も帥を奪うべきなり、匹夫も志しを奪うべからざるなり。
(先生がいわれた。「大軍でも、その総大将は奪い取ることができるが、一人の男でも、その志しを奪い取ることはできない。」)
死してもなお魂は生き続ける。
志はたとえ首を切っても奪うことはできない。
松陰先生の志は残された志士や妹たちに受け継がれ、やがて彼らが明治政府の重鎮となる。
公用車で別荘通いをするような下劣な政治家に志も何もあったものではない。
松陰先生はおそらく論語のすべてを暗唱できたのだろう。
それは先生の言動から明らかである。
(完)
一日遅れでご報告。
これから麻布鳥居坂でようがあるので、近く
乃木神社に参拝にいきました。
吉田松陰先生と玉木文之進先生の正松神社があるのです。
その佇まいは何も華美なものなく、松下村塾に似ています。江戸は松陰先生の足跡がたくさん残っているので、これからは訪ねてみようと思います。