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一景一話

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【一景一話】 ~心に残る景色との出合いと食の愉しみ~

ポルトガルから長崎に伝えられたカステラ。

江戸時代に菓子職人によってさまざまに加工された。

そして、いつしか本国のポルトガルではそのカステラが絶えてしまった。

時は経ち、1996年1月、一人のポルトガル人がカステラの製造を学びに長崎の「松翁軒」にやってきた。

パウロドゥアルテさん。

熱心に修行して、「日本のカステラ」を、今度はポルトガルに伝えた。

カステラが本国ポルトガルへ里帰りしたのだ。

1996年6月にリスボンの対岸にあるセイシャル市にカステラ工房「Castella do Paulo」をオープン。

2003年2月に、リスボンに移転。

コメルシオ広場の近くにティールームをオープンした。

奥さんは日本人。

せっかくリスボンにいるのだから、ここを訪ねる。

紅茶とカステラを注文(*^_^*)

「あれれ???、日本と違うぞ! でもおいしそうだ(^o^)」

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それは植木鉢のような容器に入れて焼かれ、カステラが容器に付着しないよう紙が敷いてある。

「ほほう、やるじゃないか」

確かにティールームで提供するには、四角く切ったものより、この方が絵になる。

とてもおいしかった。
# by doitsuwine | 2012-10-20 00:20 | ポルトガル | Comments(2)
妙心寺の塔頭、桂春院。

妙心寺の塔頭の中では私の一番のお気に入り。

ここには、趣の異なる4つの庭がある。

「清浄(しょうじょう)の庭」、「思惟(しい)の庭」、「真如(しんにょ)の庭」、「佗(わび)の庭」。

どれも小さいが美しい。

その「侘の庭」が見える書院の毛氈に坐って抹茶とお菓子をいただく(*^_^*)

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正に侘びのひととき。
# by doitsuwine | 2012-10-19 20:10 | 京都 | Comments(0)
旧東ベルリンのメインストリート「ウンターデンリンデン」。

ウンター・デン・リンデンとは「菩提樹の下」の意味で、その名の通り菩提樹の並木道を満喫することができる。通りの中央に散策路があり、ベンチも置かれている。ブランデンブルク門からプロイセン王宮までの短い通りであるが、沿道にはベルリンの興隆を示す多くの歴史的建造物が建ち並んでいる(ウィキペディア)。

ベルリンを訪れる人はたいていこの通りを何往復もする(^^;)

このウンターデンリンデン、森鴎外の『舞姫』には次のように紹介されている。

余は模糊たる功名の念と、検束に慣れたる勉強力とを持ちて、たちまちこのヨオロッパの新大都の中央に立てり。なんらの光彩ぞ、わが目を射んとするは。なんらの色沢ぞ、わが心を迷わさんとするは。菩提樹下と訳するときは、幽静なる境なるべくは思わるれど、この大道髪のごときウンテル・デン・リンデンに来て両辺なる石だたみの人道を行く隊々の士女を見よ。

ジャーナリストとしての鴎外の見た、この大通りに対する驚嘆と感嘆の思いが、文章からにじみ出ている。

私は、『舞姫』に登場するようなある種幻想的な「ウンテル・デン・リンデン」(独語を尊重して敢えてウンテルと記す)に出合うため、クリスマスイブの夜を待って、この大通りを歩いた。

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どうですか。

周囲の近代的な建築物を隠し、見事にライトアップされた菩提樹。

これぞ、鴎外の見た「ウンテル・デン・リンデン」か。

あまりの美しさに言葉を失った瞬間だった。
# by doitsuwine | 2012-10-18 19:46 | ドイツ | Comments(4)