祇王寺の吉野窓
平家物語で語られた悲恋のヒロイン白拍子祇王、祇女姉妹ゆかりの尼寺。
狭い境内iに足を進めるとすぐ目の前に広がるのが、苔の庭。
光と影に彩られた苔の庭は、とても美しく見ていて心が癒される。
そのあまりに美しい苔庭を絵に描いた。
自宅の居間に飾ってあるが、これまで描き続けてきた絵の中で、これが最高傑作である。
祇王寺は、大覚寺塔頭の尼寺で、法然上人の弟子念仏房良鎮が創建した往生院の跡と伝えられる。
往生院は江戸末期まで存在していたらしく、その後荒廃していたが、明治28年、白拍子祇王らの悲恋を知った当時の府知事北垣國道が、祇王を偲び嵯峨の別荘にあった茶室を寄進し、これを本堂にして冨岡鉄斎らにより現在の祇王寺がつくられた。
本日の一景はその茶室にある大きな「吉野窓」。
影が虹の色で表れるため、虹の窓とも呼ばれている。
私は祇王寺を何回も訪れているが、まだその虹の影を見たことがない。