名窯 ホロハーザ
しかし、世界的に有名なこの陶磁器メーカー以外にも、世界の陶芸史には載らない知られざる名窯がある。
マジャールの奇跡と謂われるジョルナイ、そして最古の窯のホロハーザ。
この二つを入れてハンガリーの三大名窯という。
本ブログの「コレクション」で紹介したホロハーザ。
私はここの陶磁器が大のお気に入り。
初めてハンガリーを訪れた約20年前。
そのときホストからプレゼントされたのがこのホロハーザのティーセット一式だった。
そのとき、その美しさに魅了されてしまったのが、私と西洋磁器との出逢い。
今でもハンガリーのアンティークマーケットへ行くとホロハーザの磁器を買いまくる
写真はそのホロハーザの窯を見学したときに、ショップで撮影したもの。
1777年、日本では江戸時代の中期、ホロハーザはハンガリーの北東部の町ホロハーザでガラス工房として設立された。
この町は、当時から広大な樹林があり燃料としての薪が豊富に確保でき、また原料となる非常に良質な土があるという、焼き物業にはとても価値の高い二つの自然条件に恵まれた町だった。
またこの自然に恵まれた広大な樹林にはたくさんのカラスが生息していた。ホロハーザとは、ハンガリー語で『カラスの家』。そのロゴマークの中央にもカラスがおり、ホロハーザはこのような自然と共に成長していくこととなる。
1777年にガラス工房として創業したホロハーザは、19世紀初頭、陶器の製造に事業転換し、20世紀半ば陶磁器製造の技術と伝統を踏襲し、磁器の製造を開始。1957年には、食器や装飾器などの家庭用磁器の製造を開始し、現在に至る。
ホロハーザの特徴の一つに、「親から子に受け継がれる伝統職人工芸」がある。これにより、職人は豊富な知識と献身を携え誇りを持ってその技を磨いている。
ホロハーザは現在、従業員数およそ670名。その中で熟練工350人以上、熟練手描き工40名以上、専門員20名以上を数える。この熟練工の多さは世界の工芸界にあっても貴重な人員といわれている。